つれづれ『運ラビ』(2)


[ 有川譲 ]

無印、十六夜記と、様々な「アツイ」面を見せてくれた譲。さて、今回はどうでしょう。

……あれれ、現代に帰ってきた途端に、なんだかぐぐっと大人っぽくなったような。落ち着きが増した、というか。大人びている感は以前もあったけれど、……なんだろう。脱・保護者とでもいうのかな。なんてったって、ヒノエがいつもの軽口を叩いても怒らない!
気のせいだと思っていたけれど、どうやらそうでもない模様。メモに「譲くんがよそよそしい」みたいなことが書いてあったので、「なにか」が二人の間で変わったのでしょう。

これまでのプレイを通して、二章後半と終章以外の関はすでに越えています。弓道の腕があがった譲を目の当たりにしたり、江ノ電の中で守ってもらったり、指に刺さった棘を抜いてもらったり。まさに、「弟のようだとばかり思っていた幼なじみを、はじめてひとりの男性として意識した」という状況。
神子がよそよそしくなる、というのはまだわかる。でも、避けている(と思われる)のはなぜか譲のほう。ど、どうなっているんだろう……?連日見ている奇妙な夢が、関係しているのかな。「鏡の間」「結晶」といったキーワードが飛び出してくるところを見ると、十中八九茶吉尼天化した神子がらみなんだろうけれど。

クリスマスは、他人行儀な譲をなんとかデートに誘うことに成功。しかしハプニング続きで、「頼りないところばかり見せてしまった」と落ち込む神子。凹む神子を自宅にあげ、ココアを作ってあげる譲。「笑ってくれた」「あんな顔で返したくなかった」「今日は楽しかった」(うろ覚えごめん)――ひとつひとつのことばに、愛を感じる。譲、一回り二回り大きくなったなあ!以前までの譲だったら、必死で慰めていたような気がする。

絆を上げて終章へ。待っていたのは、あまりに予想外な展開。譲が茶吉尼天sideに寝返った!どうやら、彼が見た「夢」となにか関係がある模様。
茶吉尼天の「お気に入り」となり、仲良く(?)デートまでしている譲。従順なふりをする一方で、心のかけらを入手する機会を伺っていた。結局最後の最後で茶吉尼天にばれて、(操られている神子自身の手で!)痛めつけられる譲。どんなに傷ついても、決してあきらめようとしない彼の姿に涙……!「神子を守りたい」という想いが、ずっとあったのね。憎まれ役になろうとも、その約束を貫こうとしていたのね。――男だ。

ここまでか!と思ったところで、譲を信じた八葉が終結。ラストバトル→EDへ。……もう何度目の当たりにしたことだろう、あの「手と手」スチルを……。何度見ても、もう「九郎と神子」しか思い浮かばないよ〜。
エピローグは、みんなが帰ったあとの有川邸にて。淋しさを隠す譲を、神子が「だっこ」する、というなんとも可愛いスチル。うんうん、気持ちはわかる。母性本能くすぐりまくりなんだもん、ED譲。

と、ちょっと雰囲気の変わった譲にどきどきしっぱなしだったのでした。暴走してこそ譲、というイメージがあったけれども、暴走してなくても十分イイオトコだ(笑)。




[ 白龍 ]

八葉は残すところあと二人。ここでちょこっとインターバルを入れて、白龍のシナリオを進めることに。ED、今回はいくつあるんでしょう?空欄を全部埋めると10パターンありそうだけれど……?

白龍には絆の関がないので、決められたイベントをさくさくっと進めるのみ。クリスマスイベントの時点で、なんだかもう、見ているほうが照れちゃう展開に。文字通り、直球!無邪気さが成す技とはいえ、……早いよ白龍(笑)。確信犯的なものを感じる。
その一方で、しっかりと「距離」も浮き彫りにされている。恋人の鐘を鳴らす際、無条件に首を縦に振るのではなく、「いいの?」と神子に伺いを立てる白龍。「人の身であるうちに」ということばは、きっと、自身の行く末を示唆していたんだろう。神である自分が、いずれ選ばなければならない道を。

そして最終章。自分の手で茶吉尼天を倒すべく、ひとり迷宮へと向かう神子。これまでの八葉ルートと異なる展開もそうですが、ぽんぽんと新しいスチルが出てくることに軽く驚きました。皆を護るため、己の喉下に剣を突きつける神子、神子の死(!)を嘆く八葉……。
幻影の助言と白龍の呼びかけもあり、現世へと戻る神子。八葉たちと力を合わせて茶吉尼天を倒していたのは、白龍との哀しい別れ。『運ラビ』では白龍が残るEDは用意されていないんですね。大団円EDの流れを汲んでいること、八葉や「元の世界へ戻る」ことを願っていること、そして「神」としての白龍の立場が、「神子の世界に残る」という選択肢を許さないのでしょう。

――たとえ離れ離れになろうとも、心は常にともにある。

それは、永久なる愛の誓い。
哀しく、とても美しいEDだと思いました。

クリスマスイベントのラブラブっぷりと、恋人の丘で垣間見えた切なさの織り成すギャップと。そしてEDで見せた神子の泣き笑いとに、心を動かされたのでした。

……「物語」として見ているから、言えることなのかもしれませんが。

無印では、「神子の願い」に耳を傾けた白龍。『運ラビ』は、神さまの「もう一つの答え」を示したのではないでしょうか。




[ リズヴァーン ]

なにやら影で暗躍しているんだろうな、と常々思っていたリズ先生。果たして、その結末は?

相変わらず、先生の自責っぷりと自己完結っぷりは健在のようです。
先生とデートの約束をしていたクリスマスの朝、急な発熱で倒れる神子。こんこんと眠る神子を前にして、悲痛な顔で「またお前を守れなかった」と言われても困ります、先生。神子の身に起こったことすべてに関して責任を感じるんでしょうか、このひとは(やりかねない)。「先生」というよりも、もはや「保護者」です。

もし風邪を引かなかったら今頃は……と、果たせなかったデートを想像する神子が可愛かったです。しかし「お前の選んだオニギリならば」「お前の料理の腕は未だ限界を見ていない」(やっぱりうろ覚え)等、先生の応答がどうにもおかしすぎる。神子ヴィジョンの先生って、こんな感じなんでしょうか。……なにかが激しく間違っている。

先生だけ一人、終章に絆の関が三つ設けられている模様。メモによると、「迷宮の一番奥で先生の大切なものを手に入れなければならない」とのこと。……一番奥って、あの鏡の間?
ひとまず三章後半(四章後半は先生がいない!)で絆を上げて、終章へジャンプ。何度も繰り返した「茶吉尼天登場シーン」を経て、有川家に送還。神子を置いていこうとする先生を説得して、再び迷宮へ。

そして、茶吉尼天に乗っ取られる神子。
――ここまでの流れは、いつもと同じ。問題はこのあとです。

逆鱗を使って時空を遡ろうとする先生。
無駄だと言い放ち、時空を遡ろうとするたびに先生がなくしたいくつもの「心のかけら」を見せつける茶吉尼天。この運命は「変えられない運命」であるという。

ぱっと画面が暗転し、神子が意識を取り戻したとき、茶吉尼天は倒したと、だから安心して未来へ行きなさいと言う先生。なにやら状況がさっぱりわかりませんが、大人しく従ったら最後、ろくな結末が待っていなさそう(=先生の言うことを素直に聞いてはいけない)。
再び画面が暗転し、気がつけば自分の部屋。かたわらには、先生の落とした心のかけら(=忘れられた結晶)。そして暗転、セーブ画面、って、えええ!? やり直し?……さすが先生、一筋縄ではいきません。遠回りは先生シナリオの定番ですね。

三章後半で絆を上げて、終章。神子も時空を遡った際に心のかけらを失ったのか、先ほどとまったく同じやりとりが再現されます。
そして先生の心のかけらに関する場面に差しかかったそのとき、忘れられた結晶から先生の声が聞こえ、茶吉尼天の中で眠っていた神子が自分を取り戻す!あとは、いつもの流れでEDへ。

現代に残ってくれた先生。
……あの長身で、あの格好で、刀所持。だいじょうぶなのか、と、いらぬ心配をしてしまう今日この頃。




[ ヒノエ ]

ラストを飾るのはヒノエ。プレイしているうちにどんどん影が薄くなり、気がつけば、いつの間にやらこんなにも後回しに……!
携帯のカメラでツーショットぱちりとか、公園デートとか、江ノ電の中での語らいとか、冒頭からおいしいイベントが続いていただけに、相手にしないでいると出番がない。……ちょっともったいないこと、したかなあ。

運ラビはヒノエと譲の「からみ」が多くて楽しいです。第一章を再プレイしたときの、ヒノエの登場シーンが特に好き。なにが好きかって、譲の醒めた対応が(笑)。ほんと譲は大人になりましたね!

ヒノエのクリスマススチルは(パッケージに載っていたので)知っていたけれど、そこからシチュエーションまでは読み取れない。どこかで夜景を見るのか、とは思っていたけれど、……まさかヘリコプターとは……!誰が操縦しているの!? いや、そもそも資金はどこから!? 有川さんちのサイフ?それとも株?なんにせよ、びっくりした。

そしてお出かけイベント。いつもの軽快なノリで、刹那的なことを口にするヒノエに対して怒ってみせたり、その後ヒノエに嫌われたんじゃないかと不安になったりする神子が可愛かったー。ヒノエの淋しそうな表情も、照れ顔もたくさん見られて大満足(笑)。

終盤の展開は、譲の逆バージョン。比較的早い段階で譲を「お気に入り」に認定した茶吉尼天さん、ヒノエに対してはやや半信半疑の模様(無理もない)。それでも、「私の部屋には絶対入ってはいけないよ」と、鶴の恩返しのごとセリフを残して鎌倉の町へと繰り出します。……見てはいけない、と言われたら、見たくなってしまうのがヒトの性。
迷宮の中に隠れていた八葉たちを押し留め、鏡の間に足を踏み入れるも、「もうひとりの茶吉尼天」と鉢合わせ。間一髪で我を取り戻した神子が、満身創痍のヒノエのもとに駆けつける、という展開に。なかなかにドラマティックなんだけれど、「抱き起こしスチル」のヒノエが幼いのが気になりました……;;それはともかく、ここで八葉が集結、ラストバトルへ。

もとの世界に帰ることを望んでいるヒノエ。が、神子を手放す気はさらさらないようです。あくまでも、神子を連れて熊野に帰るつもりでいる模様。十六夜記といい、運ラビといい、ヒノエが一番おいしいところを持っていっているような気がする……(苦笑)。さすが「海賊」さん。




[ etc. ]

隠しスチルを見るために、第二章(後半)を二回ほど再プレイ。クリスマスパーティー後に家を飛び出して、とある教会に足を運んでみました。

十六夜記の「時の結晶」はあるのに、○と○○(一応伏字)がらみの「時の結晶」はないのー?と思っていたら、……意外なところに隠されていました(笑)。選択→上書き→第二章(後半)、と手間がかかった分、どきどきしたイベントでした。でも、あれは一体どういう状況なの?○と○○はどこから出てきたんだろう。夢か、幻か。枕もとに置かれた一輪の薔薇が、なんとも意味深ですね。

「最後のスチル」は、これまたびっくりするようなところに埋もれていました。このシナリオ、実は今まで見たことがなかったんですよ。十六夜EDを迎えられなかった妹に、つい最近見せてもらったばかり。このスチルが新たに加わったのは、一重にこのキャラの人気ゆえなんでしょうか?

なにはともあれ、これにて運ラビ攻略終了!晴れてフォトブックとCDライブラリが心置きなく閲覧できます。

クリア後、運ラビは妹に渡すことになっていたため、自分用の「覚書」のような感じでつらつらと綴ったプレイ雑記ですが、ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます!





last update 12.04.2006



B A C K